この記事では、工学博士のわたしが因数分解の難問について考えたことをまとめています(ほぼ日記)。
問題設定
昨日、YouTubeを見ていたら、因数分解の難問に遭遇した。数学検定1級の問題だという。それは\(x^5+x^4+1\)を因数分解しろ、というものだ。
具体的な解法は上記の動画を見てもらえばよいのだが、どうやら、因数定理が使えないタイプの問題は難問とされるらしい。たしかに私もそう思う。ちなみに、答えは\(x^5+x^4+1=(x^2+x+1)(x^3-x+1)\)だ。
ケンヂ博士ならどう解くか?
GeoGebraによる解法
たしかに、この問題は人間の眼から見ると難問(というか、ひらめきが必要で、初見では解けない人も多い問題)である。しかし、GeoGebraなどの数学系ソフトを使うと、一瞬で解けてしまうような問題なのだ。例えば、こんな感じだ。
GeoGebraで因数分解を行うにはIFactorコマンドを使う。グラフも表示されるのも、個人的には嬉しい。
Wolfram Alphaによる解法
Wolfram Alphaというサイトを使う方法もある。これは有償の数学系ソフトウェアのマスマティカの製造元の会社が提供しているサービスだ。これに解かせてみると、以下のような画面が表示される。
課金するともっと詳しい説明が表示されるらしいが、無料版でも答えがきちんと出ている。
ChatGPT4oに解かせてみる
数学専用ソフトではなく、汎用のAIに解かせてみるのも面白い。ChatGPTの最新版が数日前にリリースされたので、やらせてみた結果がこちら。
グラフは描画できていないが、もっとらしい答えを出力している。原始六乗根とか、よくわからないキーワードを入れてしまうのはご愛嬌だが。
所感
私がYouTubeやInstagramで数学系の動画をよく見ているからなのか、昨日はやたらとこういう問題を目にした。わかりやすい動画が増えているなー、面白いなーと感じる反面、数学教育というものは昔からさほど進化していないなーとも思う。数学系のソフトウェアやアプリを活用すれば、理解速度が飛躍的に早まるような気がするのだが、受験教育の弊害なのか、なかなか活用が進んでいないように見える。
私が無料の数学系ソフトウェアGeoGebraの普及活動を始めたのは、↑の状況を憂いたからである。まだまだ初期段階だが、一歩ずつやっていこうと思う。
タイトルにpart1と書いたが、続くかどうかは謎である。