ヨーヨー PR

[商品説明02] DELIGHT 回転力の秘密

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

注意事項

この記事にはKYLIN‘s yo-yoのプロモーションや筆者の主観的な情報が含まれます。

なお、こちらの製品はスピンギア製の部品を組み込んでの販売となっていますが、ヨーヨー本体はKYLINの責任で設計、製造しております。何らかの不具合(ヨーヨーの性能や外観など)に対する責任はスピンギアが保証するものではありません。

概要

DELIGHTについては前回の記事ですこし話したが、あれだけだとよくわからない人もいるかと思う。

だから、この記事ではもうすこしだけ詳しく説明してあげよう。でも、この記事を読むのがめんどくさい、という人もいると思う。そういうセッカチなヒトは直接、booth(↓のリンク)を覗いてもらってもOKだ。

https://kylin44.booth.pm/items/7002796

DELIGHTはDサイズベアリングとSGXシステムを搭載した超軽量のプラスティックヨーヨーなんだ。色や個体差によって重さは多少変わるが、初回生産版のホワイトボディ・ブラックコア(いわゆるパンダカラー🐼)は49.99gの重量になっている。1A部門で用いられる標準的なヨーヨーの重さが62〜67g程度であることを考えると、DELIGHTのスペック上の軽さは異次元だろ?下手すると、DELIGHTは2A用ルーピングヨーヨーよりも軽いくらいなんだぜ。

世間にはたかだか1g未満の重量の違いでガタガタ言うようなヨーヨープレイヤーも多いけど、まぁ一旦、落ち着けよ(パンケーキ食うか?)。

「ヨーヨーってのは軽ければいいってもんじゃない」、「50g未満のヨーヨーなんてものはどうせイロモノに決まってる」、そう考える人も多いはず。でも、DELIGHTはそういった人にこそぜひ触ってみてほしいヨーヨーなんだ。

軽い力で投げてもギュン!と高い回転数で回る。その加速性能がDELIGHTの魅力のひとつだ。あなたは意外とパワフルに回ることにきっと驚くはず。「信じられない、これってほんとにプラスティックなの!?」ってな感じで、目ん玉飛び出るほど驚いたって人はその衝撃をぜひSNSでシェアしてくれよな。

DELIGHTの回転力の秘密を教えてやんよ。DELIGHTの回転力を支える要素は3つ、(1)Dサイズベアリングと(2)大型のボディ、そして(3)3Dプリンタ製ヨーヨー特有のスペシャルなボディ構造だ。順に説明していこう。

Dサイズベアリングのメリット

市場で流通している多くの1AヨーヨーはCサイズベアリングを採用しているのだけど、 Cサイズ搭載ヨーヨーを軽量化していくと回転力不足になりがちだ。そこで、DELIGHTは回転力不足を補うため、Dサイズベアリングを採用している。昔はhspinサイズって呼ばれてたやつだな。Dサイズベアリング搭載の超ハッピーで超軽量なヨーヨーだからDELIGHT、ものすごく良いネーミングだろ?

DサイズベアリングはCサイズベアリングよりも強く回転がかけられることが知られている(もちろん、レスポンスパッドの状態やギャップ幅にもよるんだけど、一般論としての話)。

これはベアリングの外径が小さい分、ヨーヨーの糸の長さが同じ場合、糸の巻き数が多くなることに由来している。

一方で、ヨーヨーのすべりはCサイズのほうが良いとされているわけだが、それはヨーヨーの重量が同じ場合の話。これに関してはDサイズベアリング界隈の偉大な先人であるシュトゥルム・パンツァーが過去に詳しく説明してくれているのだけど、すべりの悪さは軽さでカバーできる。触ってみたらわかるけど、DELIGHTは超軽量なので、すべりはそんなに悪くない。

あなたに十分なスキルがあれば、テックコンボだってお茶の子さいさい。スリープロスの激しいトリック(例えば、糸を多重掛けするようなトリックや多くのホリゾンタルトリック、あるいはストリングリジェクション)にはあまり適してないけど、たぶんすべりは許容範囲内だと思うよ。どうしても気になるというなら、できるだけ細い糸を使うといい。

俺はDELIGHTのすべりは特に気にならないので、太めのストリングを好んで使っている。すべりをよくしようとしすぎると、投げる時にスカって回転が弱くなっちゃうから、適度に太いくらいがいいんだ。心地いい糸の太さは、レスポンスパッドの硬度や消耗度にもよって変わるし、人によって好みも違うから、いろいろ試してみてほしい。

というか、ぶっちゃけて言うと、ぼくみたいなバインドがヘタなオジさんには、むしろこれくらいの戻りの方がいいんだ。ヨーヨー歴が長いわりにバインドが下手な人って案外たくさんいると思うんだけど(ヨーヨージャム世代のオッサンとかさ)、そういうヒトは無理せずDサイズを使ったほうがハッピーになれる。……まぁ、Dサイズベアリング搭載ヨーヨーってあまり多くないから、まだ選択肢は多くないんだけどな。

Dサイズベアリング支持派が増えると、メーカーとしてもDサイズベアリングのヨーヨーを販売しやすくなる。だから、DELIGHTの感想をSNS等にアップしてくれると俺はうれしい。

ついでに言っておくと、DELIGHTはSGXシステムを搭載しているので、Dマイナスサイズのベアリング(幅4mmのベアリング)を取り付けることもできる。レスポンシブセッティングで遊びたいプレイヤーには嬉しい仕様だ。リジェネレーションやリーチ・フォー・ザ・ムーンなど、クラシカルなトリックがとてもやりやすいのはもちろん、モダンレスポンシブな遊び方も面白い。そういうことをやるときはベアリングにお好みでオイルを挿すとモアベターだ。

大きめの直径のメリット

DELIGHTはPLAというプラスティック素材で作られている。PLAの比重はポリカーボネートとだいたい同じで1.2くらい。それだけ聞くと、「回転力弱そ〜」って思いがちだけど、そう簡単ではないのがヨーヨーの面白いところ。

ヨーヨーの回転力について語るとき、実は重量よりも慣性モーメントっていうパラメータが大切。ヨーヨーの慣性モーメントが大きいほど、ヨーヨーの回転角速度は増減しづらくなるのだけど、慣性モーメントを効率的に大きくするには単純に重さを増やしていくよりも、中心からいかに遠いところにリムを配置するかが大事。

アルミ製のヨーヨーの場合、直径55mmくらいのものが多いけど、PLAはアルミよりもすこし比重が小さい。だけど、比重の小ささは直径でカバーできるから、DELIGHTは直径をすこし大きめの約58mmに設定した。一昔前は慣性モーメントの大きいヨーヨー(例えばバイメタルとか)がもてはやされてたけど、最近のトレンドでは取り回しの良さを求めて、慣性モーメントがだんだん小さくなってきている。……ってことは「高性能ヨーヨーを作るのに比重の大きい金属素材が必須」とまでは言えなくなったってこと。プレイヤーの技術の進化で、素材の差が縮まったって言い方もできるかもしれんね。知らんけど。

実際問題、カジュアルにヨーヨーを遊ぶにはDELIGHTくらいの慣性モーメントでだいたい必要十分なんだ。DELIGHTを触ってみたら、それに共感してくれる人は多いと思うよ(人によってはDELIGHTでも回りすぎるっていうかもしれない)。

それに、慣性モーメントが大きいってことは高速回転を掛けるのが大変ってことでもある。ハイティーンや20歳代前半の若者なら慣性モーメントが大きくてもなんてこたないけど、キッズやローティーン、女性、それにアラフォーのおっさんなんかにはDELIGHTくらいの慣性モーメント+重量設計のほうが強くヨーヨーを投げやすいはず。プラスティック製のボディは強くスローする時の心理的安全性も高い。

まぁあれだ。いろいろ小難しくアレコレ言ったけど、ひとことで言うと、DELIGHTは「直径の大きさと超軽量のボディで回転力を確保している」ってこと。

「デカすぎる」って意見もあるかもだけど、そんなに小難しく考えるなよ。KYLINはそのうち、ちっさいヨーヨーも作るから気長に待っててくれよな。

3Dプリンタ製のメリット

DELIGHTのボディは熱溶解積層方式 (FDM方式 :Fused Deposition Modeling)の3Dプリンタによって作られている。FDM方式とは、高温で溶解させた樹脂素材をノズルから出力させながら重ねていくことで立体を造形する方式のこと。

FDM方式の3Dプリンタでヨーヨーを作ることのメリットはボディ内部の構造に自由度がある点(つまり、目に見えない箇所を作り込めるということ)。言い換えるとプラスティックの比重を自在に調整できるということなんだよな。

だから、FDM製ヨーヨーは見た目から予想されるフィーリングと実際に使った時のフィーリングに大きな違いを出せる。それが面白いところ。

DELIGHTは旋盤や射出成型と言った伝統的な製造方法で作られた多くのヨーヨーよりも、ボディの内周部が軽量化されてる(と思う)。旋盤や射出成型だと加工時にヨーヨーに大きな力が掛かるから、ボディを極端に薄くすることは難しいんだけど、FDMならそれができる。しかも、強度を上げやすい構造を取れる。だから、ボディ内周部を軽くできるんだ。

一方で、DELIGHTのリム外周部の内部には薄い溝が多数設けられており、多くのプラスティックがリム外周部に集中的に充填されてるんだ。KYLINではこの構造のことを「ダミースロット構造」と呼んでる。

DELIGHTはせいぜい50gの重量しかないけど、外周部にある程度、肉をのせてあるから、結構しっかり回るんだよね(とはいえ、さすがに60gオーバーのメタルヨーヨーには勝てないけどな)。

※KYLINはもっちー氏のnote(URLは下記)を読んで、ダミースロット構造の仕組みを学びました。3Dプリンタ製ヨーヨーの偉大なパイオニアであるもっちー氏にKYLINは敬意を評します。

https://note.com/mocchi44/n/n7523e8f0fcd8

まとめ

さて、DELIGHTの回転力の秘密について、長々と書いてきたが、このあたりで一旦締めよう。DELIGHTはスペック的に超軽量だから、回転力が低いのではないかと心配される方も多いと思う。でも、カジュアルにヨーヨーをプレイするには十分すぎるほどのパワフルな回転力を、DELIGHTは持っている。

販売情報

DELIGHTはboothで販売中だ。気になるヒトはリンク先のURLをチェックしてみてくれ。

https://kylin44.booth.pm/items/7002796

日本国外からの購入も可能だ。日本国外からの購入および発送の方法の詳細を知りたい人は下記のウェブサイトを見てくれ。

https://www.tenso.com/en/static/lp_shop_booth

さぁ、あなたもDELIGHTの衝撃を体感してみてくれよな。

ABOUT ME
ケンヂ博士
高橋 健治。某工業高専出身のアラフォー工学博士。 東北生まれのエセ関西弁話者。研究者として日系メーカーに10年以上勤務。数学、制御工学、電気工学、パワエレ、プログラミング、ヨーヨー、将棋などがそこそこできるマルチプレイヤー。大阪府の端っこで、お嫁様+2人の娘たち+4匹の金魚.etcと暮らしている。